多摩市が保育料値上げ案(4)「5歳児の無償化」を帳消しどころか…


東京都多摩市(阿部裕行市長)が設置した子ども子育て会議(会長=大日向雅美・恵泉女学園大学人間社会学部教授)で2014年8月4日、多摩市が新保育料の試算(案)を示した問題の続報です。今回の多摩市の案では、子ども1人あたりの保育料が平均で年間1万7400円程度の値上げであること、現行の保育料で6年間保育園に通った場合と比べて50万円超の大幅アップの所得階層があることなどを、これまでに紹介しました。それらの問題にくわえて、多摩市が示した保育料値上げ案が、いま国で進められている「5歳児の幼児教育の完全無償化」にむけた動きと矛盾する問題について、もう少し詳しくみてみました。


国が検討する「5歳児の無償化」と矛盾し、大幅アップ

多摩市が8月4日の子ども子育て会議に提出した「新保育料単価試算表(案)」は、児童年齢/所得階層別に現在の保育料と多摩市の案を示しています(2014年度第5回子ども子育て会議・資料3)。今回の多摩市の保育料値上げ案のもとで、子どもを0歳~5歳まで6年間通わせた場合、現行の保育料と比べてどう違うのか、多摩市の表をもとに計算した結果はすでに示しました。

 そのなかで、とくに注目されるのが、推定年収270万~360万円の世帯での保育料アップの幅。というのも、国では「5歳児の幼児教育の完全無償化」にむけた動きが進んでおり、その段階的な措置として年収360万円未満の世帯を無償にする方向で検討が進んでいるからです。

では、多摩市にすむこの所得階層の家庭の子どもが0歳~5歳まで保育園に通った場合に、国が進める「5歳児の無償化」による保育料値下げと、多摩市の値上げ案で、差し引きどうなるのか――。多摩市の示した保育料値上げ案をもとに計算してみました。その結果は;

【推定年収270万~360万円】
■国が検討する「5歳児の無償化」
  C1階層 5歳で、保育料 現行1万5600円がゼロに
  C2階層 5歳で、保育料 現行2万6400円がゼロに

■多摩市案による保育料値上げ
  C1階層 0~4歳で、保育料 12万2400円アップ
  C2階層 0~4歳で、保育料 18万8400円アップ

となりますので、差し引きして、

  C1階層 0~5歳で、保育料 10万6800円アップ
  C2階層 0~5歳で、保育料 16万2000円アップ

という結果になります。

つまり、もし国が「5歳児の幼児教育の無償化」をスタートさせたとしても、多摩市の保育料値上げによって、6年間合わせると結局、10万円超、16万円超という保育料の大幅アップになってしまう計算です。

多摩市が示した保育料値上げ案が、国の政策とも大きく矛盾することが明らかになりました。その他の問題点についても改めて続報します。

この問題についての多摩市の問い合わせ先は;
https://www.city.tama.lg.jp/shingikai/2727/18630/018881.html 

(つづく)文責・バカボンパパ
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by tama-kosodate | 2014-09-02 06:55